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抗議声明
ロシアによるウクライナ侵攻に断固抗議し、一切の武力行使の停止と軍の即時撤退を求めます
 2022年3月24日 公益社団法人京都保健会 理事会
 ウクライナを侵略しているロシア軍が国際法を踏みにじる行為を重ねています。国連憲章では他国への侵略を禁止し、さらにロシアは国際法が禁じた、民間人を標的とする攻撃をやめようとしません。原子力発電所への爆撃は人類の生存に対する脅威です。ロシアはただちに無差別攻撃をやめ、ウクライナから撤退する事を私たちは強く求めます。

 国連によると、ロシアの軍事侵攻による民間人死傷者は21日までに1000人を超え、難民は1000万人に達していると報告されていますが、実際にはもっと多いとみられます。また、ウクライナ各地で病院や学校が爆撃され、マリウポリでは小児病院が爆撃を受け生き埋めや子どもにも死者が出たと伝えられます。同時に、ウクライナ国内に留まる人も食料が乏しく危機的状態です。ゼレンスキー大統領が「大量虐殺」とロシアを非難し、世界医師会をはじめ国際的な医師団体も「全人類に対する攻撃だ」とする声明を発表しました。

 そもそも国連憲章は他国への武力行使を禁じています。戦争が起きた場合でも文民の保護をはじめ交戦国が守らなければならないルールを国際法で定めています。ジュネーブ第4条約は「文民の保護」、同条約第1追加議定書は無差別攻撃を禁じ「攻撃は厳格に軍事目標に対するものに限定する」としています。原発に対する武力攻撃も許しがたい行為です。ロシアはウクライナ侵攻後、今も核燃料が残っているチェルノブイリ原発を占拠し、ウクライナ最大の原発関連施設も砲撃し一部を破壊しました。原子炉が破壊されれば、世界規模の大惨事になる危険があり、ロシアは核兵器の使用さえ仄めかしています。ヒロシマ・ナガサキの惨禍を経験した被爆国として、そして東日本大震災による福島第一原発の過酷事故による大規模な放射能汚染を経験した国として、核兵器を含む一切の武力行使の即時停止と軍の即時撤退を強く求めます。

 一方、このような状況の中で、日本国内の一部からは核廃絶に反するような動きが元総理大臣等から出始めています。しかし、日本国憲法における平和主義の下、唯一の被爆国として非核三原則を揺るぎなく堅持すべき立場にあり、日本政府は非人道的な核兵廃絶に向けたゆまぬ努力を続けるべきです。憲法9条では「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と謳っています。日本政府は、国際秩序を乱すロシアの覇権主義、支配的な暴力行為に対して、断固とした態度で臨むとともに、同じく平和を求める世界の人々と連帯し、外交的手段による解決の道を探るために全力を尽くす責務があります。過去の大戦の反省から戦争の惨禍を二度と繰り返さぬよう誓いを立てた日本の岸田首相は、あらゆる手段を尽くしプーチン政権に「他国侵略即時停止」「人道支援の強化」「平和的解決」へ最大の努力を尽くすよう強く求める事が重要です。

 日本国憲法と民医連綱領を堅持する私たちは、ロシアのウクライナ侵略反対の世論と運動を広げるために全力を尽くします。
以上