退任のあいさつに代えて |
今年も早、半年が過ぎようとしています。COVID-19の猛威に私たち人間は持てる知恵と力を出し合って今日までやってきました。といってもまだまだ油断は許さない状況と、経済は想像に絶し全体像も刻刻と変化し掴めない状況ではないでしょうか。最近読んだ本の中に、「自然の猛威」というけれど、私たち人間も「自然の一部」というのがありました。同感。今回このCOVID-19対応では、全国の、世界中の医療スタッフがこころひとつに今もケアに当たっていることはなかったのではないでしょうか?それでも、私たちも自然の一員なのだと言えるのでしょう。 そんな中、6年間京都保健会の法人看護部長としてやってきましたが、この度交代することになりました。しあわせなことです。これまで支えていただいた全てのみなさんに感謝いたします。看護師になって40年。24時間365日、病院でも、在宅でも、医師や看護師たち多くの人たちが「いのちのバトン」をつないでくれています。私自身もその中に係れたことを誇りに思ってきました。6月から私たちの法人もやっと4週8休の制度ができました。これまでと同様、生理休暇が有給であることから、労働環境はさらに良くなったと感じますが、経営的には厳しい状況が続いています。それでも、在宅の患者さんが増え、患者さんの要求がどこにあるのかを絶えず模索しながら前に進んでいくことが大切です。医療機関の仲間同士も支え合い、つながっていかないと医療崩壊が身近なものとなります。 当法人は無料低額診療制度を活用しています。この5月後半から、無低の相談が一気に増えているそうです。「健康の社会的決定要因」=SDHを実感します。「幸せとは、人の痛みがわかることである」と浜矩子氏はアダムスミスの国富論から引用されています。さらに、氏は最近の著書の中で「小さき者の幸せが守られる経済へ」と。 次期を担ってくれる看護部長は、統合力・行動力があるとてもすてきな看護部長です。ぜひ、力を合わせて次代を拓けてくれるものと確信しています。「小さき者のしあわせ」が守られる社会へ、世界の不条理とたたかっていかないとと思っています。今後もよろしくお願いします。 |
2020年6月20日 京都保健会看護部長 松浦ときえ |