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理事長あいさつ
公益社団法人京都保健会
理事長 吉中丈志
 新年あけましておめでとうございます。
 京都保健会の中期計画の最大の事業であった京都民医連中央病院のリニューアルオープンから1年が経ちました。新型コロナパンデミックとたたかった1年でもありましたが、全職員が力を合わせて立ち向かいました。新しい病院の運営を軌道に乗せながら奮闘し、全共同組織、京都民医連、右京医師会をはじめとする多くの人たちとの協働によって、地域の健康を守るために活動することができたと思います。中央病院のリニューアルはこの活動の中で大きな役割を果たすことができました。
 中期計画では、京都民医連中央病院のリニューアルを力に、京都型地域医療・包括ケアを実現する京都府内最大の公益(非営利・協同)法人として、医療介護サービスを提供し、地域連携を進めていくことをめざしました。新型コロナとのたたかいにおいても中期計画が活動の指針になりました。想定外の困難にあっても事業計画を予定の軌道に乗せる可能性をつかめたことは大きな到達点です。
 今年は全力をあげて新型コロナ第三波に立ち向かいながら、総合的に保健、医療、介護、教育の諸事業を進める1年にしたいと思います。新たな中期計画は1年延期し、議論を深めて練り上げていくことにします。
 カミュの「ペスト」の主人公である医師リウーは、「ペストと闘う唯一の方法は誠実さ」、「つまり自分の責務を果たすこと」と語りますが、これは私たちの実感でもあります。時代背景にナチズムからの解放があり「ペスト」にはそうした社会病理も含意されています。新型コロナに即していえば差別や分断、全体主義ということになります。「ペスト」に対抗するためには人間同士の理解と共感が大切であり、同時に個人が「ペスト」に侵されないことを意識する必要があるということです。
 第三波に突入する中で、国民の衛生活動、医療関係者の献身的な努力、専門家の奮闘、知事会や自治体の懸命な取り組みが続けられています。京都保健会の努力もそれらのひとつです。首相は安倍氏から菅氏に変わりましたが政権のリーダーシップや対策は不十分なままです。新自由主義的な政治の転換は必須です。
 診療所(開業医)や中小病院の医療活動、それと不可分のソーシャル・キャピタル(社会関係資本)が、新型コロナとのたたかいに大きな役割を発揮してきました。民医連と共同組織は一つの典型です。地域ですべての人たちのコロナに対する不安に応える医療活動や相談活動を広げましょう。新型コロナとのたたかいの中で誠実に役目を果たしましょう。誠実さが協働と連帯を豊かにし、社会の次のステージにつながります。京都保健会はその中でこそ変わることができ前進できるのだと考えます。
 京都保健会は個人を尊重し相互の連帯や絆を醸成することを重視してきました。貧困と格差に対する取り組みは私たちの原点です。困難にある人々に手を差し伸べる活動を地域の人たちと手を携えて進めていきましょう。今年もよろしくお願いいたします。
2021年1月