歯磨きQ&A

子どもが嫌がって歯磨きをしないのですが。

本当に多くの保護者の方々が同じ悩みを抱えておられます。これが1番という回答はできませんが、やはり「なぜ歯磨きをしなければいけないのか?」ということを深めていただくことが重要かと思います。そしてあまりイヤイヤのイメージにならないような工夫も必要だと思います。お風呂に入って「気持ちいい」、頭を洗って「気持ちいい」と同じように、歯を磨いて「気持ちいい」と感じれるような雰囲気づくりもその一つです。

歯磨き粉はいつ頃から使えばよいですか?

うがいが出来るようになってから、ブクブクが出来るようになってからということです。歯磨き粉の甘みを気にされる方もありますが、歯磨き粉で虫歯になることはまずありません(甘みは人工甘味料で糖質ではない)。

必ず歯磨き粉は必要ですか?、歯磨き粉をいやがります。

絶対に歯磨き粉が必要かと問われたら、答えはNoです。別に使わなくても問題はありません。ただブラッシングの付加的(補助的)には一定の効果があると考えます(フッ素入りなど)。子ども用の甘みのあるものも色々種類があります。なにより先ずはブラッシングです。

フッ素について教えてください。

フッ素は虫歯予防で歯に塗る特別な成分ではなく、一般的に自然界に広く存在し、食品や飲料水からも日常的に摂取されている必修の微量元素のひとつです。
成人では約2.6g程度が体内に分布しています。間違いやすいのは、フッ素と聞くと、車のワックスのようにフッ素が歯の表面をツルツルにして、汚れや水を弾くイメージがありますが、決してプラークや食べかすがつきにくくなり、虫歯になりにくくなるわけではありません。
歯のフッ素は表面にコーティングを行うのではなく、歯の表面のエナメル質自体を変化させて、歯そのものを虫歯になりにくい状態にするのです。フッ素の効果としては、1.エナメル質を強くする、2.再石灰化を促進させる、3.虫歯の元になる酸の産生を低下させることです。
市販のフッ素配合のジェルや歯みがき粉と、虫歯予防のために歯科医院で塗るフッ素の違いは、濃度が違います。市販のジェルや歯みがき粉は、フッ素の配合濃度が薬事法で1000ppm(0.1%)までと決められ、950~980ppm程度が多いようです。子ども用は100ppm程度の低濃度のものなどが主です。
歯科医院で虫歯予防のために直接歯に塗りこむタイプのものは、濃度が市販品の歯みがき粉などに比べ約10倍の9000ppm(0.9%)のものなどが多く使用されています。

フッ素って毒なのですか?

海産物や農作物にも様々な濃度のフッ素が含まれており、私たちは毎日の食生活の中でフッ素を取り込んでいます。もちろんどんな薬でも、また、たとえ食物でも一時期に大量に摂取すると体に害を及ぼすことがあります。
フッ素洗口を例にすると、フッ素は体重20㎏のお子さんでは急性中毒量(大量に摂取して吐き気がしたりする量)は40㎎ですが、フッ素洗口1回分7㏄のフッ素量は1.6㎎しかないので、間違えて1回分のうがい液を全部飲み込んでしまっても大丈夫です。また、液を吐き出した後、口のなかに残るフッ素の量は、お茶1~2杯分に含まれるフッ素の量と同じです。
フッ素が添加されている水道水や歯みがき剤を使用する場合も、用量を守って適切に使えば危険はありません。確かに虫歯予防のフッ素使用について、いろんな意見があることも事実です。フッ素の使用に対する抵抗感がある場合は、使用されなくてもよいでしょう。フッ素もあくまで日常の口腔ケア、口腔機能を助ける効果であり、絶対的なものではありません。

短時間で効果的な歯磨き方法はありますか?

歯についた汚れをとることが目的ですので、短時間で効果的な歯磨き方法というのは難しいですが、歯磨きだけでなく虫歯になりにくいように食生活も含めてトータル的にアプローチすることが効果的かもしれません。
こと歯磨きについては1日1回しかできないと仮定するのなら寝る前が効果的です。寝ている間は唾液の量が少なくなるためです。それとどこに食べかすが溜まりやすいのかを知っておくことも効果に関わることだと考えます。単に朝晩のセレモニーにならないようにすることも大切です。「磨いている」と「磨けている」は違います。

虫歯がありますが治療すべきですか?

ひどくならないようにすることは努力できますが、残念ながら虫歯自体は自然には治りません。乳歯はいずれは抜けますが、虫歯がある以上虫歯菌が活躍しやすい口内環境になっています。
乳歯は永久歯よりずっと虫歯になりやすいです。理由は、1.エナメル質が軟らかく虫歯菌がつくる酸に溶けやすい、2.進行が早くひどい虫歯になるまで痛みがないので気づきにくい、3.乳歯は永久歯に比べ形的に汚れやすく食べかすが残りやすい、4.子どもは睡眠時間が長く虫歯になりやすい環境になる(睡眠中は唾液の分泌量が減るため)です。
乳歯が虫歯になると、永久歯の質に問題が生じたり、歯並びが悪くなったりします。また、虫歯ではしっかり噛むことができないので、消化、吸収に影響し十分な栄養をとることができず、身体の抵抗力が弱まり、かぜなどひきやすくなる場合もあります。

虫歯がうつるって本当ですか?

赤ちゃんに虫歯菌はありません。確かに大人が食べたお箸でご飯をあげたり、食べかけのものをあげたりすると、虫歯菌がうつってしまう場合もあります。虫歯が伝染病のようにうつるわけではありませんが、虫歯菌がいなければ虫歯にならないわけで、なるべく虫歯菌を増やさないように意識することは大切です。
しかし日常生活の中で、細菌と無縁に生活することは不可能でしょう。人間には人体常在菌がいますし、口の中にも常在菌は10億個いるともいわれます。
考え方として虫歯菌は口の中にはあるもので、それを少なくするか多くするか、活躍しやすくするか、しにくくするかは日常の口腔ケア(ブラッシングなど)次第です。

よだれが多いと虫歯はできにくいのですか?

唾液の役割として歯を守る機能があります。就寝中は唾液量が少なくなるため、口腔内に汚れが残っていると虫歯になりやすいといわれています。

毎日歯を磨いても、歯が黄色くなっているようです。

歯が黄色に見えるのは、歯の汚れが原因です。歯ブラシで丁寧に磨くと取れるものと、そうでないものがあります。少し取りにくいものには、茶渋や食べ物の中の色素が表面についている場合と、既に虫歯の初期となっている場合があります。また転んだり、歯を強くぶつけたりすると歯の中の歯髄(神経)が死んで黒くなることがあります。

仕上げ磨きQ&A

嫌がってなかなかさせてくれません。どれくらい時間をかければいいですか?

1ヶ所10~20回シャカシャカとするのが望ましいです。歯磨きは「質」が大切で、時間的にどれくらいすればよいのかという返事は難しいですね。多くの子どもが歯磨きを嫌がり、解決する「これ!」といった方法はあありませんが、お聞きする成功例では、歯磨きしているビデオをみせる、親が楽しそうに歯磨きを一緒にする、ママがパパの仕上げ歯磨きをする、といった歯磨きのイメージアップなアプローチが多いようです。

どこに重点をおけばいいですか?

やはり汚れが残りやすいところです。歯と歯の間、歯の生え際、咬合面などがポイントになります。

いつまで仕上げ磨きをすればいいですが?

一人で歯磨きをして「磨ける」ようになるのは6歳以上といわれています。なにより一人で磨いて磨き残しがないようになったら仕上げ磨きは必要ないでしょう。

立ったままの仕上げ磨きでもOKですか?

寝かせ磨きをいやがる子は、立たせて後ろから支える方法でもOKです。おなかと腕で子どもの頭を固定すると両手が使えます。

歯並びQ&A

歯磨きをキチンとしないと歯並びが悪くなるというのは本当ですか?

歯磨きをしないと虫歯になり、場合によっては歯を抜く必要もでてきます。そういった意味からも口腔機能はお口の健康次第といえるでしょう。

乳歯で前歯がすきっ歯だったら、はえかわってもすきっ歯でしょうか?

子どものすきっ歯は良い歯並びへのステップと考えましょう。乳歯の段階で隙間がないと乳歯より大きい永久歯が生えてきた場合、歯並びが悪くなる可能性があります。

指しゃぶりは歯並びに影響するのでしょうか?

指しゃぶりには舌や唇の機能的な運動を促し、心地よい感覚を与え、心に不安があるときなど、自分で自分をなぐさめ安心を得るなどの精神的にプラスの要素もあります。2~3歳までの指しゃぶりが歯並びに大きく影響することはありませんが、吸い方が激しく、期間が長引けば影響する場合もあります。

1歳半検診で反対交合(受け口)といわれ心配です。

詳しくは検査などをして診察してみないとわかりませんが、この時期で不正咬合かどうかを確定判断するのは実際に難しいと思います。またこの時期は奥歯の発達が十分でないのでかみ合わせが不安定で「イーってして(歯を見せて)」というと、無理に歯の先端どうしを合せる子どもさんが結構います。顎も段々発育していきますし、様子をみていくしかありません。

顎が小さめなので歯が隙間なく並んでいます。永久歯になったときガタガタにならないでしょうか?

永久歯に生え変わるまでに歯の隙間がないと、乳歯より永久歯のほうが大きい歯なので、歯並びが悪くなる場合があります。最近の子どもの発育の傾向で顎が細くなっています。軟らかいものが多くなったことが影響しているといわれ、食事はしっかり噛むことを意識することが重要になっています。

矯正に踏み切るポイント、開始の時期(年齢)は?

歯列矯正は、数年の間、歯に装置をつけて歯を移動させる治療です。矯正器具は、唇や頬の内側とすれ合ったりして痛いこともあり、子ども自身が納得して治療に取り組まねばなりません。そういった意味で子どもが理解できる時期、歯や顎の成長もありますが、やはり小学生になってからだと考えます。

歯並びを悪くしないために気をつけることはありますか?

歯磨きなどのお口のケアも勿論大切ですが、顎の発達もとても大事な要素です。つまり“よく噛む”ことです。人は誰でも骨を作り成長させる遺伝子を持っています。噛むことによって細胞がアミノ酸などの栄養素を取り込んで、骨を作る遺伝子活動を活性化してくれるのです。噛むことは、脳を刺激したり、唾液を分泌させ消化吸収をよくしたりします。“よく噛む”が健康と美への最初の第一歩です。

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