「新型コロナウイルス感染症と子ども」その2

新型コロナウイルス感染と川崎病について

 川崎病は乳児期後半から1歳に罹患率のピークがある乳幼児に多い発熱、発疹などを主な症状とする心臓の筋肉と全身の中小動脈、特に心臓の筋肉を養う冠状動脈に炎症を起こす病気で、無治療だと2~3割に冠状動脈瘤を合併します。何らかの感染症が引き金になって起こる異常な免疫反応が病気の本態と考えられていますが、まだ詳しくはわかっていません。2018年には全国で17,364名の子どもたちが川崎病にかかり過去最高を記録しました。1967年に先日95歳でお亡くなりになられた川崎富作先生が世界で初めて報告されたので、世界中どこでもKawasaki Diseaseです。
 ご記憶の方も多いと思いますが、少し前、欧米で川崎病と症状が似た病気の子どもが増えていて新型コロナウイルス感染との関連が指摘されているというニユースがありました。フランスでは関連している可能性が非常に高いとされているようです。私の外来でもこの間、最近川崎病にかかった子どもたちの親御さんからこの件についての相談を受けることが数件ありました。
 この件について日本川崎病学会によりアンケート調査が行われ、5月7日声明が出されました。
 調査の結果、京都を含む18都道府県、32施設で今年2~4月219名以上の川崎病患児の治療が行われ、患児の数や重症の患児数はどの施設でも例年の同時期と比べて減少または変化がなく、この中で新型コロナウイルス感染を疑う患児はいなかったということです。またこれらの施設で27名の新型コロナウイルス感染の患児の診療が行われ、全例が軽症または無症状で川崎病を疑う患児はいなかったとのことです。
 川崎病は東アジアに多く、欧米では比較的少ない人種間で罹患率に差のある病気です。お隣の韓国では発熱のある子ども全員に新型コロナウイルスのPCR検査が行われていて、川崎病患児でPCR陽性例は一例もなかったそうです。
 また、現在欧米で報告されている川崎病に似た病気の子どもは小中学生くらいの年齢層に多く、年齢層にも違いがあるようです。
 川崎病にかかって今まさに治療を受けている、あるいは最近川崎病にかかって追跡を受けている子どもたちの親御さんがいらっしゃいましたら、どうか新型コロナウイルス感染との関連などご不安になられることなく、これからも治療、追跡を受け続けるようになさって下さい。
 もし何かお聞きになりたいことがありましたらお気軽に診療所の私の外来までお越し下さい。

2020年6月11日
医師 菅 純二

「新型コロナウイルス感染症と子ども」をご覧ください

かどの診では、この度、子どもや子育てに関する新型コロナウィルス感染症についての情報をお伝えする『ページ』を作りました。
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かどの三条こども診療所 所長 菅野知子