定期巡回・随時対応型訪問介護看護を担っています

 

 訪問看護ステーションかみのは、西京区で民医連唯一の介護事業所として、2016年3月に開設し、多様なニーズにお応えできるように頑張っています。
 ニーズの一つに「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」があります。実施している事業所は少なく、2016年5月に依頼を受けました。ヘルパー事業所と連携をしながら、一人暮らしの男性の訪問を開始しました。喉頭癌で気管に穴をあけてチューブを装着している状態でした。入院で看護師嫌いになり、血圧すら測らせてもらえませんでした。声が出ない事と怒りっぽい性格が相まって、看護師やヘルパーさんに手を振り上げることもありました。ヘルパーさんは玄関で門前払いの時期もありましたが、看護師がサポートをしながら、援助を続け信頼関係を築いていきました。
 2020年1月、ADLの低下が進み、訪問診療が始まりました。ヘルパーさんによる食事介助が必要になり、すべてを受け入れるようになりました。「病院はダメ、ここでコロッと死ぬ」と、お酒、たばこを好きなだけ飲んで、人々の温かい援助を受け、3月ご自宅で静かに永眠されました。希望通り自宅で最期まで過ごすことができました。私たちは、利用者さんに希望と笑顔を届けるため、今日も訪問に奔走しています。

訪問看護ステーションかみの 所長 中島詠子