2022KCFM家庭医療学セミナーふくちやま(オンライン)開催報告

KCFM

京都家庭医療学センター(KCFM)
ふくちやま協立診療所 寺本敬一

 京都家庭医療学センター(KCFM)は、2022年で設立15周年を迎えました。ふくちやま協立診療所の開催主幹は8回目となったKCFM家庭医療学セミナーを、2022/9/17に「認知症のある方の早期対応」をメインテーマに開催しました。新型コロナ禍が続いていましたのでオンライン開催としました。参加申し込みは49名でしたが、当日の講義には約42名、グループワークは約19名の参加だったようです。

 認知症診療でご活躍されている藤本直規先生(藤本クリニック、滋賀県守山市)を特別講師にお招きして、藤本先生の素晴らしい講義「(若年性)認知症の初期対応」~支援につなげるために必要なこと~をしていただきました。
 認知症早期の方の思い、対応方法 特に、診断後空白をつくらないための様々な工夫 本人・家族心理教育、本人・家族交流会、仕事の場、もの忘れカフェ(自主活動型デイサービス)、Hej(社会貢献の場)などの説明をしていただきました。「認知症患者は本人と家族の二人である」「認知症になったことはあきらめるがこれからの人生はあきらめない」「辛いことを患者に背負わせてはいけない、辛いことは専門家が背負いなさい」など心に残る言葉も多くありました。本人に誠実に対応することの重要性も改めて気付かされました。家庭医として、常に「患者中心の医療」の実践を心がけていますが、やはり、認知症ケアの場面でも非常に重要なアプローチであることを実感しました。
 また、地域のなかで多職種連携の会で、地域の認知症ケアのレベルアップ、就労継続、啓蒙のための企業での認知症研修などの先進例をご紹介していただき、当地でも改めて頑張っていきたいと思いました。

 グループワークも、進行上少し時間を短縮しましたが、充実した議論をしていただき、学びが深まりました。やはり、皆で話すと、様々な視点、打開点がみえてきます。多職種協働は強いですね。
 藤本先生の最新著作の「認知症の人の絆」も名著です。たくさんの人に是非読んでいただきたい本です。
 当セミナーにご参加いただいた方々、お忙しい中、本セミナーにご参加いただき本当にありがとうございました。

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