シリーズ“こどもにとっていいこと?”その2

耳そうじ、しなくていいよ!

耳垢は自然に出てくるのです。
考えてみてください。動物の親はこどもの耳垢を取りますか?動物は耳が聞こえないと他の動物に襲われますから、耳垢で耳が聞こえないなら命に関われます。でも、どの動物も耳掃除しないのです。
耳そうじは、外に出かけている耳垢や見えている汚れを綿棒やティッシュペーパーのこよりなどでとるだけでよいのです。決して、奥まで綿棒を突っ込んではいけません。それ以上の大きな耳垢は受診時にこちらで取らせていただきますから、耳垢があることで親の役目ができていないから恥ずかしいなどと考えることはまったく有りません。ほかでも言える事ですが、なんでも「清潔にしなくてはいけない」という考えが、いつも正しいとは言えません。このことは、男の子のオチンチンの話でも似たような事があるのです。結論:赤ちゃんの耳掃除をしない、大歓迎!

こどもの耳掃除に、綿棒は禁止
診察のときに困ることのひとつは、中耳炎がないかどうか鼓膜を見るときです。ただ、耳垢(みみあか)があるのはとればよいので問題はないのですが、その耳垢がずいぶん奥にあるときです。しかも、耳垢が押し固められているのです。これはすべて、綿棒で奥に押し込み・固めた結果です。これをピンセットで取って鼓膜を見るのですが、奥にありますから、泣き叫ぶこどもを押さえてとるのはとにかく大変です。綿棒を使っていないこどもの耳垢を取るのはとっても簡単です。
実は、日本人は、『乾燥耳垢』が多い。「耳かきで耳掃除」は、日本や韓国・中国などに固有の風のです。白人や黒人耳垢はほぼ100%近くが『湿性耳垢』ねばねばしていますから綿棒で掃除できます。そこを何も考慮せず、日本に導入したため、今でも育児書に「赤ちゃんの耳は綿棒で」という間違った記述があります。
中耳炎は耳鼻科と決めていませんか?
これは日本だけの特殊性です。欧米では、中耳炎の診断・治療はすべて小児科です。
『かどのの医師は、こどもの病気全部を見る小児科医であることを自負していますから、鼓膜を診て中耳炎の治療します・できます』 押し込まれた耳垢はとっても迷惑、なにもせず受診してください。

シリーズ“こどもにとっていいこと”

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